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「素組み」のコツ

 

究極の継ぎ目消し
これもメール等で質問が来ることが多い、「継ぎ目の消し方」です。パーツとパーツを合わせて出来る境目のことで「接着ライン」「合わせ目」とも言います。(ここでは「継ぎ目」としておきます)
塗装までする場合、接着した後やすりで削ったりパテで修正したりの後で色を塗るんだから当然継ぎ目は見えません。でも素組みなら(色を塗らないので)当然目立つ...のですが、かなり目立たなくする方法はあったりします。
以下の方法は各模型誌のロボットプラモ(ガンプラ)組みたて講座では最近の定番とされているものです。そして、素組みでなく塗装をする場合にも非常に有効な方法でもあります。
  1. スナップフィットのピンをニッパー等で「ちょっとだけ残した状態」で、切り飛ばします。これは、ピンではめる場合、位置の微調整がしづらいからです。ただ、ポリキャップ等をはめる関節部分のピン(ポリキャップをはめる軸ではなく、この軸にはめるピンのことです)は、半分くらいの長さに短くするように切り飛ばしたほうが良いでしょう。

    場合によっては完全にピンを切り取った後、下図のように600番程度のサンドペーパーの上で接着する面を軽くなでるようにペーパーがけする「すり合わせ」をします。これをやるとより「パーツの合い」がよくなり、継ぎ目にスキマができなくなります。
    パーツによっては継ぎ目が複雑だとできませんし、やりすぎると逆にスキマが多くなったりしますので、くれぐれもご注意を。(ここ数年のガンプラはほとんど合いがいいので、それほど気にする必要はないです)
  2. 両方の接着面にたっぷりと接着剤を塗ります。たっぷりと、でも表面側にはあふれない程度に、接着面上に軽く盛り付ける感じに。「ふつうに塗るのを少し間をおきながら3回くらい塗り重ねる」のもいいです。新品の接着剤は、多少粘度が少ないため盛りつけるように塗るのは難しいかもしれませんので、数回塗り重ねましょう。
  3. 説明書どおりにポリキャップ等を組んだ後、パーツを合わせます。ピンを切っているので微調整がしやすくなっているはずです。ぴったり合うようにきちんと位置を調整しましょう。
  4. パーツを合わせると、接着面から「プラスチックの溶けた接着剤」が「うにょ」っと出てきます。これでOKです。
    触らずそのままにしておいて、最低丸1日、出来れば丸3日乾燥させます。
  5. 乾いたら、「うにょ」とはみ出した接着剤部分を削ります。棒やすり→400番〜800番のサンドペーパー→1000番〜1500番のサンドペーパーで削ります。やすりがけについてはもう経験を積むしかないです。(笑)
    はみ出した接着剤でスジ彫りなどが途切れていることがあります。ケガキ針やアートナイフ等でモールドを復活させましょう。
  6. この後、コンパウンドがけやトップコートをスプレーしたりします。下図はコンパウンドでみがいたものです。

    さすがにゲートがあった場所の濃い部分跡は消えませんが、継ぎ目はほとんど消えています。

    接着剤が部分的に足りなかったりでスキマが生じてしまった場合は、瞬間接着剤で埋めた後丁寧に削るとあまり目立ちません。
 
パーツは清潔に
会社にもよるのですが、買ってきたプラモデルのパーツ表面には油分があることがあります。パーツを成型する時金型からはずしやすくするための離型剤なのですが...。
塗料をはじいたりしないように、できれば組み立てる前にパーツを中性洗剤で洗ってから作業したほうがいいかもしれません。
あと、模型製作作業をする前、塗装前には必ず手を洗うようにしましょう。せっかく塗装やコートをしてもパーツに指紋がついていたら台無しですから。
 
部品注文のススメ
組み立て中にパーツが折れたり、紛失してしまった時に便利なのが「部品注文」です。
けっこう「面倒くさい」と思っている方が多いようですが、そんなことはありませんよ。それに、昔は手続きをしてから届くまで2、3週間かかるのが当たり前だったのですが、最近はほんの4日前後で届くことが多いです。キットの価格はどんどん高額になっていますから、予備のキットを買うのもお金がかかりますしね。
説明書に付属している「部品注文カード」ですが、実はこれ「コピー」でもOKだそうです。あの小さい欄では書ききれないことも多いので、拡大コピーして書いたほうがいいでしょう。私は申込書をパソコンにスキャンして、画像上に必要項目を入力した上でワープロ文書に貼りつけ、住所氏名等を記載して印刷した紙を同封するようにしています。
部品代の定額小為替ですが、ちょっと予想代金より多めにいれておくと良いでしょう。多ければ、余った分を切手で返してくれますから。(ハンパな額の切手だとあまり使う機会がないから困ってしまいますけど(笑))
 
接着しなくてもいいじゃない その1
バンダイ・マスターグレードシリーズなどではパーツ分割がうまく考えられていて、パーツの分割ラインが「あたかも本物もそうであるかのように」モールドなどを加えることで、「接着剤を使わなくても違和感がないように」見せかけています。
これを「通常は接着したほうが良さそうな場所にも自分で加工してモールドっぽく見せよう」というのが今回の趣旨です。
これはHGUCズゴックの胸部パーツです。
ズゴックの肩
丸で囲んでいる部分、接着しても良いのですがここが「本来も分割ライン(線状モールド)はあるんだ」ということにしてしまおうと思います。

まず、簡単な方法。
  1. 組み合わせるパーツの片側のみ、平たい棒やすり、あて木をしたサンドペーパーなどで「本来接着する部分」を斜めに削ります。くれぐれもやりすぎないように。例のように左右があるパーツの場合、左右が違わないようにしましょう。(図1.A)
  2. なんどかパーツを合わせてみて、溝ができているか確認しましょう。(図1.B)
接着しなくてもいいじゃない その1
これが加工した状態です。ちょっと分かりにくいかもしれませんが、ピッタリ合わせても溝が残っています。
接着しなくてもいいじゃない その1 加工後
 
接着しなくてもいいじゃない その2
今度はかなり難しい方法です。でも、うまく加工できると見映えは「その1」よりはるかに良いです。

失敗しないように、ガイドとして「ダイモテープ」というものを使います。樹脂状の硬いテープです。文具店などで売っています。
ダイモテープ
  1. ダイモテープを接着ラインに沿いつつ1mm程度ずらして貼ります。(図2.A)
  2. ダイモテープに沿ってデザインナイフで縦に切りこみを入れていきます。やりすぎには注意が必要ですが、それでもかなりしっかり入れたほうが良いです。(図2.B)
  3. 今度は、接着する面からデザインナイフを斜めに入れていきます。これで溝が出来たはずです。(図2.C)
  4. あとは、何度も仮組みをしつつ、棒やすりやサンドペーパーで整えてください。目の細かい、平たい棒やすりがいちばん使いやすいです。(図2.D)
接着しなくてもいいじゃない その2
これが加工後です。
接着しなくてもいいじゃない その2 加工後
しっかりとした溝状モールドになっています。