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模型作成の際の塗装技術のひとつとして、「スミ(墨)入れ」というものがあります。これは、部品のモールド(彫刻)や、へこんだところなどに、黒色、もしくはその部品の色よりも濃い色を流し込むことです。これによって、プラスチックとしてはひとつの部品なのが、別パーツのように見せることが出来たり、へこみ感を強調させることが出来ます。そのままではおもちゃっぽいものが、それだけでもリアル感が増します。
(最近増えている、塗装済み完成品のものにも、このスミ入れをするとリアルになりますよ)
バンダイのHG(ハイグレード)クラスのプラモデルには、たいていシールがついています。部品構成上(もしくはコスト上)、色が違う部分を別パーツに出来なかったのを補うためのものです。(たぶん(笑))
このシール、色はいい(部品の色によく似せている)のですが、多少扱うのにコツがいります。また、手ではいでペタッだとどうしても汚くなってしまいますので、きれいに貼るコツをお教えします。
1.スミ入れ(基本は第4回の「ガンダムは目が命(笑)」といっしょ(爆))
上のタイトルのとおりです。基本的には塗って乾かしてふき取る、ですから。
ガンダムマーカー スミ入れ用でモールドにそって線を引きます。少しははみ出てもかまいませんが、できるだけ丁寧にやりましょう。
ガンダムマーカー スミ入れ用には3種類の色があります。黒、グレー、ブラウンですが、これはプラスチックの地色によって使い分けます。(黒で全部やっちゃってもいいんですが、使い分けたほうがベターです)「じゃあ、たとえば黄色と白の境目には何色を使ったらいいの?」となるでしょう。その場合は、濃い側の色に従うのがいいでしょう。例の場合だとブラウンを使うわけです。
- グレー 地色が白系、薄いグレーの場所
- ブラウン 地色が黄色、赤系、薄い茶系の場所
- 黒 上記以外
塗ったら、完全に乾くまで待ってください。30分くらいです。
綿棒や、細くこよりにしたティッシュの先に、タミヤアクリルカラー用溶剤X-20Aを「ちょっとだけ」付けます。かすかに湿り気がある程度にしてください。
その綿棒(ティッシュ)で、軽くはみ出た色を拭き取ります。モールド部分も軽く拭きます。ペンが「極細」でも、その線は太いものになっています。軽く拭いて、モールドに入った色のみ残す感じにしましょう。
もし拭き取りすぎたら、ガンダムマーカー スミ入れ用でもう一度塗り直してから再度拭き取ります。
このように、きれいに彫られたモールドに色が入っています。
実は、この方法はあくまでも「プラスチックの地色部分」の話、なのです。部分塗装した個所にこの拭き取りは通用しません。ではどうするか...。
失敗しないようにマーカーで線を引き、多少太いのは我慢する。これが一番でしょう。(笑) タミヤのエナメルカラーでスミ入れする、という手もありますが...。これは用意できる方は、ということで。(私は併用しています)
2.シール貼り
最初のほうで書いたように、このシールは多少のコツがいる曲者です。発色、糊の接着力等は申し分ないのですが、「厚ぼったいので、しっかり貼らないと剥がれる」「傷がつきやすい」という欠点があるのです。
それでも、部分塗装するよりも、手軽に、しかも確実に設定に近く色分けが出来ますから、有効利用しましょう。
これは肩のパーツです。ここに青いシールを貼って色分けするのですが、残念ながら側面のみで、上面はシールがありません。そこで、シールがない部分をガンダムマーカーで塗っています。「シールが上に乗る」あたりはきれいにまっすぐ塗らなくても大丈夫です。
シールと部品の地色の境目には、あらかじめスミ入れをしておきます。この時には、シール側の色でなく、部品の地色に合わせたほうがきれいです。
シールを丁寧に、表面に傷を付けないように台紙から浮かせます。
写真のようにデザインナイフやカッターナイフを使うといいでしょう。
ある程度浮かせたら、ピンセットなどで軽くつまみ、はがします。あくまで、丁寧に丁寧に。
シールを貼る場所に軽く「乗せ」ます。慎重に貼る位置を合わせてください。まだ乗せただけなので、位置修正も容易なはずです。
位置が決まったら、上から押さえてシールを密着させます。しわにならないように、端から端へ押させていきます。
指で直接押さえずに、綿棒や、布等の上から指で押させたほうがいいでしょう。シールは爪でも傷がつきます。
このようにきれいに貼れました。
ここではぴったり合ったのですが、時々、実際の部分よりもシールのほうが大きい場合があります。(小さすぎるよりはいいですが) その時には、はみ出た部分をカッターナイフやデザインナイフで切り取ってください。歯をシールに対して垂直にしのこぎりを引くように切ると、シールにも部品にも傷がつきません。